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僕の麗子さん
第11章 エピローグ
叔父はちょっと驚いている様だった。
「領くんに会えますか?」
「ええ、今、家の中で絵を描いてますよ…」
僕は麗子さんが今、この家の前に居る事など想像できないでいた。
ただ、麗子さんを想い、絵を描いているだけだった。
「さ、中に入ってください、領も喜ぶでしょう…」
「ありがとうございます…」
麗子さんは軽く叔父に頭を下げた。
正樹は気を効かせて外に居てくれている様だった。
麗子さんが、家のドアを開けた。
そして、家に入ってくる。
僕はそんなことを知らずにリビングで絵を描いていた。
麗子さんは、僕の居るリビングまで来た。
リビングには沢山の麗子さんの絵が置いてあった。
その絵を麗子さんは見ていた。
僕は人の気配に気づく。
正樹だと思ったのだ。
「叔父さん、もう薪割りは終わったの?僕、手伝うよ…」
そう言って、振り返った時だった。
麗子さんの姿が目の中に飛び込んできた。
僕は驚いて絵筆を床に落としてしまった。
麗子さんは僕を見つめてこういう。
「領くん、会いたかったわ…」