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僕の麗子さん
第11章 エピローグ
すると、麗子さんはこう答えた。
「それは、分かっているわ、この先、どうなろうと私は領くんと一緒に居たいのよ…」
亜希子は諦めたようにこう言った。
「麗子の気持ちは分かったわ。領をよろしく頼むわね…」
麗子さんは思っていた。
この先、もしも、僕に若い彼女が出来ても、それは構わないと。
麗子さんは、僕の幸せだけを願ってくれていた。
飛行機の中で麗子さんは僕との再会を心待ちにしていた。
でも、麗子さんは心配もしていたのだ。
僕が麗子さんを拒んだらどうしようかと。
麗子さんは旭川空港まで飛行機で向かう。
そこから富良野行のバスに50分程揺られ、富良野に着いた。
麗子さんはダウンのコートを着ていた。
それくらいに、富良野は寒かったのだ。
その後、亜希子が教えてくれた住所を頼りに僕の叔父の家を探した。
この日、昼間、雪は降ってはいなかたった。
叔父の正樹が外で薪割りをしていた時だ。
その叔父に麗子さんは話しかけてきた。
「こちらは、宮沢正樹さんのお宅でしょうか?」
「はい、うちが宮沢ですが、どちら様でしょう?」
「結城麗子です…」
「あなたが、麗子さんでしたか…」