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ママ活
第2章 令和の女子高生のママ活事情──case.2ゆう──

至れり尽くせりの彼女に引き替え、寿也は違う。
ある意味では貴重な体験の出来る彼との出先は、ゆうからすれば、一度きりで十分である場合ばかりだ。衣類に油の匂いのつく飲食店や、厚底靴では途方もなく長く感じる徒歩での移動、爆音の流れ続ける娯楽施設に、下品に話す若者達の溜まり場──…。さりとてゆうの提案では、彼の目が、まず真っ先に料金表に向く。予算の問題を突破しても、いざ現地でゆうがはしゃぎ出すと、彼の関心はゆうばかりに傾く。佐和子なら、同じものを見て同じ風に感動してくれるのに。
もっとも、デートが退屈で別れるのは軽率だ。そこを除けば、学校一の人気を博しているだけあって、見た目や人間性を始め、寿也は非の打ちどころがない。ゆうとて学力には自信がないし、彼の部活を何度応援に行ってもテニスのルールを覚えられなかったり、欠点はある。
ゆうは寿也との交際を続けながら、佐和子との関係も維持した。突出した美しさを極めて、着せ替え人形も顔負けの休日ファッションを謳歌するには、資金がいる。アルバイトの自由もない高校生は、時間や身体を売るしかない。
第2章 令和の女子高生のママ活事情──case.2ゆう── ──完──

