パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第16章 穂波の悩み事

穂波の前髪から、ポタリと滴が落ちて、頬を伝う。

「それに比べて僕は、特に目立つような力もないし、敵も逃がしちゃうし、ちょっと情けないよね」

辛そうに歪められた顔が切なくて、美鎖は穂波の手を強く握った。

「人と比べても仕方ないです……」

そのまま、穂波の手を自分の頬に当てる。

「……って、ごめん。愚痴っぽくなっちゃった。あー、こんなつもりじゃなかったのになぁ。カッコ悪い……」

「いいんです、いつでも聞かせてください」