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蛇神様の花わずらい
第20章 蛇神様の巫女
首筋のあたりに痛いほど視線を感じた。
薄い空気の幕を隔てて、捕食者が舌舐めずりをしている。

もうすぐ、その牙が届く。

祝詞の最後の一節が終わるやいなや、背後から抱きつかれた。

「美鎖!」

穂波だった。

「もう待ちくたびれた! 祝詞なんてはしょっちゃえば良かったのにー」

白い神衣をまとった姿は久しぶりだった。
人懐っこい笑顔を浮かべて頬を擦り寄せてくる。
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