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プレイボーイの憂鬱
第4章 決着
「千明さ・・・」

ピアスをしている耳を執拗に舐めてくる千明を
力任せに引き剥がすと
手の甲が金具で傷つくのも気にせずに拭った。

気持ちわりぃ。

付き合っていた頃
よく抱き合ってお互いの耳を舐めあった。
お互いがお互いの耳に存在しているかのように
ピンクの。確かピンクトルマリンの
透明なピンクの小さな石つぶを舐めあったのを思い出した。

けど今。千明に舐められた耳は
色っぽさを全く感じず、ただ気持ち悪いだけだ。

「よくのこのこ俺の前に帰って来れるじゃん」

千明に捨てられた直後。
もしもう一度会えたら。言いたいことがたくさんあった。
それは恨みとかそんな言葉じゃなくて
全てが未練たらしい言葉で。

今でも千明が好きだって伝えたいといつも思ってた。

目の前にいる女は
3年前より綺麗になって
3年前よりいい女だった。

でも今の俺が欲しいのは、あんたじゃないんだよ。

恋愛ってタイミングなんだな。

そんなことを俺が思うなんて可笑しくなった。

「今でも俺がほんとに千明を待ってるって思ってるわけ?」




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