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プレイボーイの憂鬱
第5章 新しいピアス
「潤」

「今の俺は千明を好きにはならない」

千明の目を見てはっきりと言った俺の手を
ゆっくりと離した。

「もう、本当にダメなの?」

「もう、じゃないよ。3年前に終わってるんだよ」

「私を・・・無視しないで。
私の存在を、忘れないで」

「無視なんてしない。今は同級生だろ?
存在も忘れない。千明は俺の高校時代の全てだ。
今の俺が誰を好きでも、高校時代の俺は千明だけが好きだったよ」

「・・・・」

「3年前。別れる時に言えなかった言葉をやっと言えるよ。
『ありがとう。千明』」

「潤・・・」

あんなに強がっていた千明の目から涙がこぼれ落ちる。

「ごめんなさい。
あの時、何も言わないでいなくなってごめんね。
この1週間。つきまとってごめんね。
あの子にも、謝っておいて」

「ん」


「もう帰って。これ以上そばにいられると辛い」
「ん。おやすみ」


そう言って俺は千明のアパートをあとにした。





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