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ある女課長のクリスマスイブ…
第1章 クリスマスイブは日曜日…
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「あっ、ああーっ…」
 突然、営業の祐輔くんがパソコンを見ながら、絶叫を上げた。

「えっ、どうしたの?」
 この祐輔くんは新卒入社二年目の24歳…

 そしてわたしは37歳、行き遅れの独身女性営業課長…
 彼はそんなわたしの直属の部下であった。

「あっ、い、いや、の、納期がっ…」

 どうやら納期を完全に間違えていた様で…

「月曜日の朝イチになっていたんす…」

「え、月曜日の朝イチって…」

「は、はい、明明後日の…
 あ、あのぉ…
 12月25日月曜日の朝イチ、つまり午前9時っす」

「あらあらぁ」

「あちゃぁ、やっちまいましたぁ」
 と、彼は、今にも泣き出しそうな、焦燥感いっぱいの顔をしていた。

 そして今、現在は、12月22日金曜日の午後5時20分…
 それも間もなく終業時間である。

「で、メドは?」

「あ、は、はい…
 今から取り掛かって…」

「うん」

「取り掛かって…今夜を含めて三日間あればなんとか」

「三日間って、土日返上かぁ…」

「あ、はい、そうっす」

「じゃぁ、わたしも手伝って上げるから、さっそく取り掛かかろうかぁ」

 土日返上なんて、それこそ昔はよくやっていたから…

「あ、いや…でも…」

「えっ、な、何よ?」

「大変ありがたいし、申し訳なくて恐縮なんですけどぉ…
 か、課長が大丈夫なのかなぁって?」

「え、何で?…
 キミのピンチなんだから、部下のピンチに課長のわたしが知らん顔はできないわよ」

「えっ、あ、で、でもぉ…」

 日曜日は、24日の…

「クリスマスイブっすけど?」

「あっ、えっ、あ、そ、そうか」

 クリスマスイブなのか…


 クリスマスイブか…




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