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第4章 想い

その夜、一人で夕飯を済ませ、シャワーを浴び
リビングでテレビを見ていた。

プルルルルル♪
携帯に優から着信がきた。

「優？お疲れ様」

「うん…疲れたよぉ…」

電話口の向こう側は結構賑やかだった。

「ずいぶん、賑やかね…」

「あぁ、今日はこっちの会社の人が飲み会に誘ってくれてさぁ、
　今、居酒屋から電話してるんだ」

「あら、悪いじゃない…戻って良いよぉ…」

「大丈夫だよ、電話するって約束したし、栞奈の声聞きたかったし」

優の、こういう所が栞奈は大好きだった。

『優…一人は淋しいよぉ…』
っと言いたかったが、仕事の邪魔になると思い栞奈は言わなかった。

その時、電話口から…

「優！何してんの？早くーみんな待ってるよー」

っと女性の声がした。

栞奈は心臓を誰かに掴まれるような感覚になる…

「おう！今行くから！…栞奈ごめん、そろそろ切らなきゃ…」

「えっ…うん…あまり飲みすぎないでね…」

「うん、戸締りはしっかりしろよ！おやすみ…」

「おやすみ…」

優に何も聞けないまま、また聞き分けの良い妻になってしまった。

「今の誰？優？呼び捨て？」

色々な想像が頭の中を駆け巡る…

『優に限ってそんな事は無い！きっと同僚だろう…昔は、大阪勤務だったって言ってたし
　その時の仲間だろう…優を信じよう…』

強引に不安な気持ちを押し殺し、栞奈は寝る事にした。