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禁愛
第4章 想い
ベッドに腰を下ろし、不安でおかしくなりそうだった栞奈は
携帯をポケットから取り出し亨の番号を打ち始めた・・・。

『少し、誰かに頼りたい…』

プルルルルル♪

少しのコールで電話に出た、その声はあの時聞いた亨の声だった。

「もしもし」

知らない電話番号だからか、少し不機嫌そうな声にも聞こえた…

やはりいざ、声を聞いてしまうと栞奈は焦ってしまう。

「もしもし?誰?」

栞奈は慌てて、電話を切ろうとした…やはりこんな事で他の男性を頼ってはイケないっとも思った。

その時…

「もしかして、栞奈?」

亨の声を聴き、ドキッとする…

「栞奈か?」

電話口からは、亨の問いかけが聞こえる・・

栞奈は、心配を掛けまいと・・・元気な声をだし返事をした。

「そう!分かった?」

「もちろん、なんとなく栞奈かなって思って。電話ありがとう
 ずっと、待ってたんだ」

「ううん、私こそ何かこんな時間にごめんね」

なぜか、亨の声を聴き、栞奈は落ち着きを取り戻した。

「俺は、大丈夫だけど、栞奈はこんな時間にかけてきて…旦那大丈夫か?」

「うん、今ね・・・」

栞奈の目から一気に涙が溢れた…。

「どうした?何かあったのか?栞奈?」

心配そうな声をした亨が問いかける。

「ご・・・めん…何で・・もないの・・・」

「じゃぁ、何で泣くの?そんな声されたら心配で、今すぐ側に行きたくなる…」

栞奈は、思わず

「会いたい…」

と言ってしまった。自分でも何でこんな事を言ってしまったのかは
分からなかった。

「今すぐ行く!どこに行けば良い?家に行くのはまずいだろ?」

「う・・・ん・・・」

「じゃぁ、近くに何がある?」

「〇〇っていう喫茶店…」

栞奈は、自分でも何をしているのか分からなかった。

「分かった、そこまで行くから待ってろ」

そういうと、亨は電話を切る…。

『私、酷い…でも今夜一人では居たくない…』

そう思うと、上着も羽織らず外に飛び出した…。

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