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ビッチ女のクリスマス…
第1章 12月23、24、25日の三日間…
 14

 12月24日日曜日…

 そしてまた再びゲームが始まり試合に集中している間に…
 ビッケの姿は体育館内から消えていた。

 だが、この後わたしは持ち回りの審判もしなくてはならず…
 いつの間にかにビッケのことは忘れていた。

 そして、ふと思い出したのは夕食後のミーティングが終わった時であった…

「美紀谷コーチ、今夜これから他のコーチ達と少し出掛けるんですが?」
 と、ヘッドコーチが誘ってくれたのだが、ふと、ビッケのことを思い出してしまい…

「わたしはこれから大学時代の友人と…」
 と、断った。
 もちろんウソなのだがどちらにせよコーチ達とは出掛ける気にはなれない。

 ビッケはどうしてるのかなぁ?…
 急にソワソワしてしまい、部屋に戻り急いでスマホをチェックする。

 午後8時半過ぎ…

「あっ」
 LINEが来ていた。

『ホテルの下で待ってます』
 時刻は今から1時間半前…

 え…
 でも、ずっと待っている様な気がした。

 そして慌てて、電話を掛ける…

「もしもし…」
 ワンコールで出た。

「え、ずっと待ってたの?」

「もちろんすよ」

「1時間半も…」

「はい、平気っす」

 うわぁ、まるで忠犬ハチ公だ…

「さすがビッケね…
 で、何処にいるの?」

「あ、ロビーっす」

「うん、じゃあさ、目の前の品川駅で待ってて…」
 そう出場チームは品川プリンスホテル宿泊なのだ。

 わたしは急ぎ着替え、目の前の品川駅に向かう…

「お待たせ…
 っていうか、何でここにいるの?」

「うわぁこんなラフでカジュアルな悠里さん初めて見たっす」
 わたしの問いには答えずに、そう言ってきた。

 そう、わたしはバスケ大会だし、こんな不意に出掛けるつもりもなかったから…
 パーカーにジーンズにスニーカーにダウンジャケットという姿であったのだ。

「だってぇ、バスケ大会だから」

「やべえっす、新鮮っすよぉ」

「いつものキミと一緒よね…
 もお、そんなことよりも、何でいるのよ…
 わたしはてっきり帰ったのかなって…」
 だけど、本当は嬉しかった。

 だって、昨夜の…
『恵比寿ガーデンプレイス』のクリスマスツリーの前もカップルばっかりだったし、一緒にいた後輩は旦那、子供持ちだし…

「あ、悠里さん…
 メリークリスマスっす」

「ばか…」
 


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