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ビッチ女のクリスマス…
第1章 12月23、24、25日の三日間…
 15

「連れて行きたい場所ががあるんす…」
 そうビッケは言って、わたし達はタクシーに乗る。

「豊洲ららぽーとまで…」

 え、豊洲のららぽーと?…

 わたしは思わず彼を見る。

「…………」
 すると彼は黙ってわたしを見つめ、手を握ってきた。

 あ、暖かい手…

 思わずわたしは、一昨日の22日金曜日の夜になんだかんだと彼に言ってたことなんてすっかり忘れてしまい…
 その暖かいビッケの手を握り返してしまう。

 そしてタクシーは都内の、大都会の、クリスマスイブの夜の煌めくビル街の中を静かに走り抜けていく…

「さあ、こっちっす」
 タクシーを降り、手を握られ、引かれ、『豊洲ららぽーと』のショッピングモールの建物の間をすり抜けて歩いていくと…

「あっ、あらぁ…」

 芝生の公園風の広場が現れ…

 その先に、東京湾の煌めく夜景が目に飛び込んできたのだ。

 目の前にはレインボーブリッジが…

 左手にはお台場エリア、テレビ局が…

 正面奥にはおそらく羽田空港からの飛行機が飛び…

 右手のビル街の奥にはクリスマスイルミネーションの東京タワーが…

「あぁ、き、綺麗…」

 そして手を引かれながら海側へと歩いていくと…
 目の前には漆黒の夜の東京湾が広がり、潮の香りが僅かに感じられた。

「後ろを見て…」

 その声で振り返ると…
 ビル街の隙間から、やはりクスマスイルミネーションの装いのスカイツリーが僅かだが見える。

「東京タワーもスカイツリーもクリスマスツリーみたいてしょう」

「う、うん…」
 寒いのだが、寒くはなかった。

 いや、このビッケの手の熱さが、わたしの心を温めてくれていた…

「悠里さん…好きっす…」

 ビッケは唐突にそう囁き、わたしを抱き寄せ…
 キスをしてくる。

 あぁ…

 ヤられてしまった…

 すっかりビッケにヤられてしまった…

 この熱いキスに…

 わたしの心と…
 
 カラダも…

 震え、蕩け…

 昂ってしまう…



 
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