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ビッチ女のクリスマス…
第1章 12月23、24、25日の三日間…
 2

「はぁぁ、ふうぅ…
 なんとか疼きが治まってきたわ…
 ビッケ、ありがとうね…」
 わたしは彼、和哉くんの、いや、ビッケの腕枕に抱かれながら、そう囁いた。

「ふう、それは良かったっす」
 と、ビッケも嬉しそうに微笑む。

 最近の心も落ち着きつつある逢瀬により、わたしの感じるポイントを、いや、ピンポイントをレクチャーし、そしてそれをかなり的確に攻めてくれて…
 ビッケとのセックスも感情に流されずに、かなりカラダ的な快感と絶頂感を得られる様になってきていた。

「うん…かなり上手になってきているわよ」
 これは本音であった。

「いや、マジっすか、嬉しいっす」

「うん、マジっす…」

 そしてそのご褒美と、セフレとしての二人の関係の一歩前進の意味も込めて…

 前回の逢瀬から、わたしのマンションを教え…
 この部屋を使うことにしたのである。

「いやぁ、でも、びっくりしましたよ」

「え、何が?」

「いや、この駅前のマンションだったなんて…
 それにマジで目の前だし…」

 マジで目の前…

 それはいつも待ち合わせに利用している彩ちゃんのバーの事であった。

 本当に、このマンションのエントランス前の道路を挟んだ反対側が、彩ちゃんのバーであるのだ…

「でも、マンションを教えてもらってチョー嬉しいっす…
 悠里さんとの距離感が、また、近くなったみたいな…」

「あ、うん…
 でも、あくまでもセフレなんだからね…
 そしてキミは…」

 ビッケでもあるんだからね…


「あ…は、はい…」

 そう、この二人の距離感の間には…
 わたしは敢えて、このセフレとビッケという存在感の壁を作り、置いていたのだ。

 もちろん和哉くん、ビッケの気持ち、想い、思いは十分に分かっているし、理解をしている…

 いや、わたし自身だって本音は…

 揺れ、揺らぎ、流され…

 そして…

 だけど、必ず、いつかはこの9歳差という年齢差が遥かな高みの壁となり、立ち塞がり、心をも冷やしてくるに…

 決まっているし、分かってもいる。

 だからセフレであり…

 ビッケなんだ…




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