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ビッチ女のクリスマス…
第1章 12月23、24、25日の三日間…
 4

「あ…は、はい、そ、それは…そう…なんす…けど…」

 心を鬼にして、ここで線を引いておくんだ…

「ほ、ほら、生理じゃなかったらさぁ…   
 逢ってヤるという選択は…
 もちろんあるわよ…
 でもさぁ、生理だしさ…
 遠征だしさ…」
 
「は、はい…」
 ビッケの声のトーンが一気に下がった。


 本当は違う…

 違うのだ…


 本当は…

 もちろん逢ってクリスマスイブの夜を過ごしたい、いや、過ごしたかった…

 過ごしたいと思っていた。


 だが…

 元々、11月の中旬、いや、つまり、地区予選決勝での敗退の日に…
 そのクリスマスカップ大会の出場予定は決まっていたのだ。

 そしてそれに加えてわたし自身も、ビッケとのセフレとしての関係成立と相性の良さにすっかり心が昂ぶり、舞い上がってしまい…
 逆に、生理との被りによって、ようやく冷静になれたくらいであったから。

 だから…

 本当は違う、違っていたから…

 和哉くんとの…

 いや、ビッケとの気持ちと想いは同じであったのだ。


 だけど、これはよく考えれば、いい機会である…

 このクリスマスカップ大会という三日間が、わたしの心の…
 いい冷却期間になると思うのである。

 だって…

 だって…

 もしもバスケット大会も無く…

 生理でも無かったならば…

 巷の恋人同士達と同じ様に…

 和哉くんと熱い想いのクリスマスイブの夜を過ごしてしまい…

 セフレどころか、いやビッケどころじゃなくて…
 普通の恋人同士の様な関係になってしまうかもしれないから。

 いや、本当は…

 心の奥深くに隠してある本当の…

 本音の想いがそうであるから…


 だけど…

 それは決して…

 いや、絶対に…

 幸せな、正しい選択では無いことは分かっている。

 なぜなら…

 二人の間に永遠に存在する、絶対に無くならない壁が…
 9歳差という年齢差の問題の壁が、あるから。

 今はいい…

 今はいいかもしれない…

 じゃあ、10年後は…

 15年後は…

 いや、20年後は?…



 わたしはもう…

 傷つきたくないのだ…





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