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ビッチ女のクリスマス…
第1章 12月23、24、25日の三日間…
 5

 わたしはもう…

 傷つきたくないのだ…

 もちろん年齢差だけの問題ではなく…

 男関係では、もう二度と…

 傷つきたくはないのだ…

 そう…

 傷つくのが怖いんだ…



 過去を顧みると、三人の男を真剣に愛した…

 だが、その三人とも成就は出来ず、ましてやその内の二人は悲劇的に亡くなった。

 心が壊れそうに、いや、壊れた…

 もうあんな辛い想いなんてしたくは無い…
 経験したく無い。


 だからセフレであり…

 だからこそのビッケなんだ…

 大好きであり、心が揺らぎ、揺れ動き、傾き、寄り添う気持ちはもちろん普通であり、逆に、そんな気持ちが無ければ…
 カラダを重ねるセフレという関係が成り立つ筈は無い。

 いや、それが普通だと思う…
 だからこその、ワンクッションのビッケとビッチという関係でもあるのだ。

 だが、その関係は微妙で…

 非常に不安定に揺らぎ、揺れ動く関係ではある…

 だから、敢えての心の壁であり…
 線を引いた距離感なのである。


「ほ、ほら、生理じゃなかったらさぁ…   
 逢ってヤるという選択は…
 もちろんあるわよ…
 でもさぁ、生理だしさ…
 遠征だしさ…」
 
「は、はい…」

「だからクリスマスイブなんて忘れて、ううん、忘れちゃいなよ」

「え、忘れる?」

「うんそう、忘れちゃいなよ…
 あ、いや、違う女の子と過ごしなさいよ…」

「あ、い、いや、そんな女の子いないっす」
 
「じ、しゃあ、クリマスパーティーに参加するとか…
 ナンパするとかさぁ…」

 敢えて…

 敢えて、わたしはそう言った。

「あ、え、そ、そんな…」

「いいのよ、どんどん好きな女の子作っても…
 どんどん遊んでも…
 でもさ…」

「はい?」 

「でもさ、生理が終わればまた抱いてもらうし…
 こうして低気圧に疼けばキミを呼ぶしさ…
 寂しければ顔見たくて呼ぶしさぁ…」

「あ…は、はい…」 

「それがセフレなんだから…
 そして…ビッケなんだからさぁ…」

 敢えて…

 敢えてそう言う…




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