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人質交換を託された女
第10章 感情との葛藤
「はぁはぁ…」と彼女の荒い息が聞こえてくる。

彼女の表情を伺い知ることができなかった。ただ後ろに回され、しっかりと束ねられた彼女の両腕と後ろ姿が見えた。彼女の体には縄が這い、お尻を剥き出しにされ、男の要求で雁字搦(がんじがら)めにされた、わら人形に見えてしまった。

彼女に掛けられた縄は、とても解けるようなものではなかった。両腕がしっかりと後ろに回され、縄で束ねられ、左右の二の腕を包むように、縄が彼女の肉体をみっちりと、隙間なく包んでいた。何をされても手出しできない、無防備な姿だった。

リーダーが彼女に布を被せ、目隠しをさせる。彼女の両手がギュッと握られる。彼女のショートヘアの後ろ髪に、布の拘束が横切って、ギュッと結び目を作っていく。

お尻の谷間に掛けられた縄がキュッと、彼女の曲線に沿って締まる。それに彼女が反応して、肩がピクッと上がり、後ろに束ねられた両腕が上下していた。

リーダーの男が一歩前に進み、私の目から肉棒が見えなくなった。その瞬間、佐伯さんの握られた手がゆっくりと伸び、指先から力が抜けていくのが見えた。すぐに彼女の体が前後に動き出し、リーダーの鼻から抜ける息が聞こえ始めていた。
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