パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第12章 籠城戦の行方

胸元に掛かる縄が肉体を離れ、息が荒くなり、彼女は首を横に振っていた。背後の男が、未だ後ろ手に縛っている縄を、そっとクィッと引いていたのだ。何度か引かれ、彼女は誘引に負け、体を男の胸に預けていた。

「あ…あの人と…全然違う…」
彼女の息上がる声だった。
『あの人』とはきっと彼女を縛ったリーダーのことだったはずだ。

補佐役の男は佐伯さんの呼吸が落ち着くまで、しばらく後ろからそっと抱擁していた。彼女の脚が内側を向き、中央を隠したがっているようだった。それも収まり、彼女が両膝を揃えたのを確認し、男はようやく腕を縛っていた縄を解いていく。

全ての縄が肉体を離れ、佐伯さんは静かに立ち上がった。
「婦警さんの服を用意します…」
その声はハキハキと頼もしく、だが目は虚ろで、私には不安を抱かせる目でもあった。