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人質交換を託された女
第2章 身柄拘束
ロープを次々に体に掛けられ、体の自由だけではなく、望みまでも奪われようとする絶望的な状況に、解放を求めて、「もうやめて…」と小さく呟いていた。

上半身と同じように太ももがしっかりと念入りに、小さな座面に拘束されていく。目の前の男はまず太ももだけを丁寧に縛っていた。左右の太ももにそれぞれ8の字を描くようにロープを掛け、膝上から脚の付け根あたりまで、同じように縛っていく。私の太ももに体を寄せて、スカート越しとはいえ、脚に触れる男から目を放せなかった。最後は男が持っていた長いロープで、腰のあたりから膝近くまで、座面にきっちりと、緩みなく縛りつけられてしまった。

私は、銃口をこちらに向け、リーダーの男が近付いて来ても、背もたれの上部に首を乗せて距離を取ることくらいしか、拒絶の姿勢を示せない。本当に手も足も出せなかった。全身を拘束され、身を守ることができなくなった絶望に、目をつぶることしかできなかった。
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