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人質交換を託された女
第3章 人質+1
リーダーの男が近付いてくる。

私は男の微笑みが不気味で、その表情を見つめていた。

「本来なら…独りでここにきた、あなたを裏口でお出迎えした際に…壁に両手を付けさせ…その場で手を縛り…武器などを携帯していないか…ボディチェックをするべきだった…」

男の微笑み、冷静な口調に体を後ろに動かしたくなる。男の突然の言葉に、私は正直戸惑っていた。私の手足を椅子に拘束して、私はこうして動けないのに、なぜ今になって彼がプランを話し始めたのか、理解できなかった。

私は慎重に男の話に同調しようかと迷った末に、頭に浮かんだ疑問を素直に問うことにした。

「なぜ…そうしなかったの…?」

男は「フッ…」と鼻で笑っていた。

「肝が据わってるな…」

私は男の答えに要点を得なかった。
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