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人質交換を託された女
第4章 交渉
「ここから出してください…!」と力を振り絞り叫んだ。
目の前には丸められたハンカチが見え、粘着テープのビリビリという音が背後でしていた。もうこれ以上話されては困る。口封じをしようとしているのは明らかだった。口を開けたら終わりだと思った。だから舞一文字に口をつぐんだ。
リーダーの男が鼻を強く摘まむ。息が次第に苦しくなる。それでも口を開こうとしない私を見て、リーダーの男が指示を出す。
「揉め…」
私はその言葉に驚き、目を見開いてしまう。