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人質交換を託された女
第6章 A Lucky Winner
少し経ち、足音が聞こえてきた。ペタペタと床を歩く音で、佐伯さんの無事が確認できた。行員たちの安堵した表情につられ、私も彼女の姿を捉えようとした。彼女の足取りは軽く、気が付けば私のすぐ脇を抜け、元居た場所に戻ってきていた。
リーダーの男が佐伯さんに指示を出した。
「君のスカーフを外してくれ…」
彼女は訝(いぶか)しげに男の指示に従い、首に巻かれている銀行のイメージカラーのスカーフを外していた。
「それでこの人の髪を結んでやってくれ…」
男は私の上体を起こすようにして、佐伯さんに私を託していく。すぐに彼女はしゃがみ込み、私を正面からそっと抱きしめてくれた。
しっかりとした口調で、「大丈夫ですか…?」と尋ねられ、私は首を縦に動かし、彼女の問いに反応した。
リーダーの男が佐伯さんに指示を出した。
「君のスカーフを外してくれ…」
彼女は訝(いぶか)しげに男の指示に従い、首に巻かれている銀行のイメージカラーのスカーフを外していた。
「それでこの人の髪を結んでやってくれ…」
男は私の上体を起こすようにして、佐伯さんに私を託していく。すぐに彼女はしゃがみ込み、私を正面からそっと抱きしめてくれた。
しっかりとした口調で、「大丈夫ですか…?」と尋ねられ、私は首を縦に動かし、彼女の問いに反応した。