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12歳年下の彼と城崎温泉旅行する話
第1章 2人の年末
自分では見えない場所に
彼が…昨日…泊まった時に
残した…跡があるのを指摘されて。
一瞬にして血の気が引いた顔が
今度は…熱くなっているのを感じる。
「すっ…すいませ…ん…ッ」
そんな物を…お見せしてしまって。
申し訳ない気持ちに…なって、
巴は施術をしいてる美咲に謝った。
『あら?どうして謝るの?
お付き合いしてる好きな人が居て、
その人にも…こんな風に
愛されてるんだもの…素敵な事じゃない』
ツン…と美咲の指が、巴の項の下に触れて。
そこに…彼が残した跡があるのを
目で確かめられない巴に知らせてくて。
スルスルとその指先が背中を滑ると、
ツン…と右の肩甲骨の辺りと
左の肩甲骨の下の辺りを指先で押される。
自分の頭の中で…彼が残した跡が
脳内のイメージとして浮かんで来る。
『知らなかったんでしょ?』
「……はい…ッ…」
昨日のベッドの中での事を思い出しても、
巴にはいつのタイミングで彼が
私の背中に跡を残したのか…、
自分でも…記憶に残って無くて。
『その彼は…、
友坂さんの事が大好きなのね…。
友坂さんにも内緒で…残してた位だし、
背中のキスマークは…、
大好きな貴女を…他の誰にも
とられなくないってそんな心理の
現れ…だと…言われてるのよ?』
背中は…親密になった相手にしか
晒したりはしない場所だから。
港斗君にはエステに行くって
伝えて無かったから…。
彼に後で怒る事もできないけど…。
私が今日…サロンに来たのは、
今日が仕事納めだったから
自分へのお疲れ様の意味だったんだけど。
美咲さんは嬉しそうに…色々と
港斗君とのクリスマスの事とか、
年末年始の事とか聞いて来るから。
美咲さんの…人柄と口調の所為で
ついつい…喋り過ぎてしまって。
30日の夜から…、一緒に
彼とは過ごす事にしてると言うと。
美咲さんから…ある物を…
オススメされてしまって。
ホームケアに使うアイテムなのかと
巴が美咲の話を聞いていると
どうやら、ホームケアアイテムじゃなくて。
その美咲の話を最後まで聞いて、
どうして今日はやたらと美咲さんが
港斗君の事を聞いて来ると思ったら…。