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12歳年下の彼と城崎温泉旅行する話
第3章 2024年1月1日
『そう言えば…、生田君は…
ご実家は…市内なのかい?』
居間のコタツを挟んで
向かい側に座って居た
私の父親がそう港斗君に話掛けて。
『いえ…僕の実家は…、
神戸市内ではなくて…。
西宮の方になります…。山手の方の』
兵庫県の高級住宅街と言えば
芦屋市の六麓荘町が有名だが…。
彼が口にした西宮の…山手の辺りは…、
お金持ちの人達が住んでいる
高級住宅街が幾つか点在するエリアだ。
私の父の…”巴、お前知ってたのか?”と
言いたげな不安そうな視線が、
”巴、お前、でかしたな”的な…
そんな視線に変わった様な気がして。
大阪程ではないにしろ、
関西人である事には…違いないけど…。
お家はお金持ちなの?なんて
ドストレート過ぎる直球は
私だって、投げるに投げれない。
もし、そのエリアにお家をお持ちな様な
お金持ちのお家のお坊ちゃんなのだとすれば。
この後…私が…彼のご実家に
ご挨拶に行くハードルが上がるに違いない。
お母さんが…今日のお年賀に
生田君のお家にコレ持って行ってねと。
ケーニヒスクローネの詰め合わせを
用意してくれてたんだけども。
一応…自分の親を頼りにしないで、
瑞祥の黒松剣菱…の化粧箱入りを…
用意しているには…しているんだけども。
自分が用意した物で大丈夫なのか
心配になって彼にこっそり
耳打ちして尋ねてみたんだけど。
箱入りの剣菱の方が、
僕の用意したのより値段しますし、
うちの父親剣菱飲んでますよと
いや…何が良いかな?って
彼に何気なく聞いた時に
剣菱で良いですよ~って言ってたから
素直に剣菱買っただけなんだけどね…。
瑞祥は剣菱の中でも…
最高級品だし、冬季限定の商品だから
お年賀にピッタリですよ…とは、
良い様に言ってくれたけど…。
後…お酒にしたけど、
弟さんやお母さんにと思って
御菓子司 杵屋総本店の
名菓の平磯最中を、
今日…予約してるんだけど…。
神戸市内だと思ってたから、
神戸のお菓子じゃなくて
お年賀にするんだったら。
垂水と言えば…みたいなのが
良いのかなぁって…それにしたんだけど。