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12歳年下の彼と城崎温泉旅行する話
第1章 2人の年末
ご飯よりも先に巴さんが
食べたいですって…、言う可能性が
…無くはない…、無くはないので。
もし…、彼がそう言って来た時の為に。
軽くシャワーだけ浴びて。
合鍵は彼から貰ってるので。
彼が帰って来る時間に、
お夕飯が完成してお出迎え出来る様に。
早めに彼のアパートに行って。
とは言っても16じ半ぐらいだけど。
家から貰った白菜があるので。
白菜と冷凍庫の残り物の
中途半端な鶏肉と。
大入りパックが安かったから
キノコたっぷりのクリーム煮にして。
大根も家から貰ったのがあるから。
大根と白菜をマリネにして
マリネ液に浸けて、
冷蔵庫の中で冷やして置く。
冷蔵庫を開けて気が付いたんだけど。
前に私がインフルエンザになった時に
港斗君が作ってくれた、
みかんの缶詰めが入った
牛乳寒天が冷えてたから。
彼が…一緒に食べようと思って
作っててくれたのかなって。
後…仕事場の人に教えて貰ったんだけど。
鯖の水煮缶使ったら、
アクアパッツァが凄い簡単に
美味しく出来るからって教えて貰った
レシピがあったから。缶詰なら
無駄なゴミでないし、下拵えも楽だし。
本格的なアクアパッツァが20分もあれば
作れる…と言う事だったので。
その楽ちんアクアパッツァの
彼のリアクションも…気になりつつ。
巴は夕飯の用意を済ませた。
「まだ時間あるし、
コタツで…ゆっくりさせて貰おうかな」
彼がコタツを買ったと言って居たけど。
リビングのテレビの前に
楕円型のコタツがあって。
2人だから正方形かと思ってたら。
楕円形のコタツだったんだ。
こたつの天板を綺麗に拭いて。
コタツのスイッチをオンにして、
コタツ布団を捲ると
巴さもそもそとこたつに潜り込んだ。
「やっぱり…コタツ…落ち着くな…ぁ」
今はコタツカフェとか
コタツ居酒屋とかあるもんねえ。
こたつでまったりとしていると
リラックスし過ぎてしまって、
そのまま寝てしまいそうになったんだけど。
18時過ぎに…この部屋の主である、
港斗君が帰って来て。
玄関まで彼をお出迎えしに行った。
「お帰りなさい、港斗君」
『ただいま…しました』