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第5章 忍の告白「４月下旬・Portrait」

わかったことは、もともと痩せていたのに、太ってしまったと思っていること。もしかしたら、旦那さんは、痩せていたころの方がいいと思っているのかもしれないと思ったわ。だから、

「それは違うわ。太ったんじゃなくて、女性らしい身体になったということよ。だって、胸が大きくなるのは、女性だけだもの。男性は大きくなんてならないでしょ？胸が大きくなるのは、女性らしくなったということ。誇らしいことなのよ。それに理解がないなんて、旦那さん、女性が、いいえ、人間がわかっていないわ」

と、力説したわ。

「美咲ちゃん、知ってる？胸が大きくなるのは、人間だけなのよ。サルもチンパンジーも、ゴリラも、胸は大きくないのよ。オスもメスも同じような体型。でも、人間だけは、違うの。そう、知能が発達して、胸も発達したのよ。だから、胸が大きいのは知性が発達している証拠」

と、これは、人類の進化の書籍からの受け売りだったけど、エビデンスのある話だから、これも力を込めて話したわ。

「夫は、、、『胸が大きいとバカっぽい』というのですが・・・」

と、遂に、なぜかについての核心を話してくれた美咲ちゃん。なるほど。。。たまに聞くセリフです。。。だいたいは、胸の小さな痩せぎすの低能女子が言う言葉なのですが、真に受けた男がいたということ。しかも、それが、こんな魅力的な胸をしている女性の旦那だという事実。

「ほんと、わかってないわね。進化の過程が。。。ダーウィンが怒ってくるわよ」

と、それまでも、胸の小さな女子の妬みに怒りがあった私は、そう言ってしまったわ。でも、美咲ちゃんが納得できたみたいだったので、一安心したわ。

「私だって、この大きさだから、胸が大きいのを否定されると嬉しくないわ。旦那さんには、大きな胸の魅力をわかってほしいわ。そうすれば、無理なダイエットとかしなくていいし。だいたい、ダイエットなんて、身体に悪いことばかりだから。精神的にもツラいし。旦那さん、胸の大きな女性の魅力に気が付いていないのよ」

と、話すとやはり、ダイエットしているらしい美咲ちゃん。

「胸の大きいことはいいことなのよ。母性の象徴だからね。うちの息子たちなんて、あの歳になっても、たまに『オッパイが吸いたい』なんていうくらいだから」

と、伝えたわ。理解できたかどうか不安だったけど。