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霧中の夢
第1章 霧中の夢
僕は、由美が妊娠しているのだと分かった。
この3年間の間に由美は新しく恋をして再婚したらしかった。

その相手は小林信一郎と言う男だった。
年齢は由美より3歳ほど年上の様だ。

信一郎はとても背が高く温厚な顔立ちをしている。
由美を心から想っているのが僕には分かった。

僕が可愛がっていた猫2匹も可愛がっていてくれている様だった。
猫たちは信一郎にとても懐いている。

僕は由美が約束を守ってくれたことに心から嬉しく感じていた。
食い入るように映画の様なスクリーンを見ている。

二人はどこかを散歩している様だった。
仲良く手を繋いでいる。

散歩をしているのはどこかの公園の様だ。
お天気は良く優しい日差しが二人を包んでいた。

(由美は、今妊娠何か月なのだろう)

僕は心の中でそう呟いた。
すると、頭の中に“妊娠7か月”だと言うイメージが浮かんだ。

僕はそうなのか、と思って安堵した。
後、約3か月で由美の子供が生まれるのだとその時思ったのだ。

僕はその後、3か月間をその映画のスクリーンの様なもので見守っていた。
その由美の姿を見ていると会いたくて、会いたくて仕方がなかった。

だが、どうやってこのスクリーンの場所に行けるのか分からなかった。
ただ、妊婦の由美の体調は良好で、お腹の子供も順調に育っていった。

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