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私立桐邦音楽大学附属中学校
第19章 小山田梨果の住む町
「あー今日も楽しかったー!」

満面の笑みで伸びをする小山田梨果。反面弘斗の心は荒んでいた。

(小山田が村上に裸を……裸を……)

辛くて吐き気まで催した。


銭湯を離れ4人で駅まで向かう。日が傾いてきたのでまひろと一緒に小山田梨果と高遠美月を送るためだ。

「梨果さん聞いてくださいよーそれでお兄ちゃんねー……」

妹のまひろはすっかり小山田に懐いて腕を組んで先を歩いていた。

「室賀くん。」

小山田梨果の後ろ姿を見つめていると斜め下から声が掛かった。見下ろすと隣に高遠美月がいた。

「え?高遠いま呼んだ?」

コクリと頷く高遠美月。

「なに?」

声が小さいかつ身長差もあるので腰を屈めて耳を傾ける。

「室賀くん梨果が好きなの?」

「えっ……うん……」

正直に答えた。

「だよね。」

「な、内緒な。本人にも…そして角山にも。」

「それはいいけど梨果はやめといた方がいい。」

最近皆がそう言う意味がやっと解ってきた。

「……俺もそう思うよ。」

「わかってるんだ?」

「ああ、もうすでにボロボロだ。」

「そっか、じゃあやめなよ。」

「そうだなぁ……」

(簡単にそれが出来ればいいのだけど……)


4人は室賀家最寄りの駅に着いた。

「室賀くん今日もありがとう。」

小山田が振り返り笑顔を弘斗に向ける。

「あ、ああ…じゃあな。」

輝く笑顔が眩しくて目をそらしてしまう。

「まひろちゃんも送ってくれてありがとね。」

「いえいえ!」

「……まひろ、帰るぞ。」

「うん!お兄ちゃん!」

弘斗は小山田との別れを惜しみつつも素っ気なく自宅へ向けて踵を返した。

(しばらく距離を置いて考え直そう。)

そう思った矢先。

「室賀くん!」

去り際の背中から小山田梨果の声が掛かった。

「な、なに?」

「明日は私の地元に遊びに来ない?」

「……」

「室賀くん?」

答えに戸惑っている弘斗に首を傾げて見せる小山田。

(ううううぅぅぅぅ!!可愛い!!!)

「……いく。」

「うん!また明日!」

小山田の後ろで大きく溜め息を吐いている高遠美月の姿が見えた。
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