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私立桐邦音楽大学附属中学校
第19章 小山田梨果の住む町①
室賀家では夕飯を終えて家族団らんをしていた。

「あ、お母さんドラマの時間だよ。」

「あら、先週の続き楽しみね。」

まひろがテレビを点ける。

『私も河海塾でワンランク上を目指せましたっ。』

「あ!見てお兄ちゃん。小山田さんだよ。」

(ドキッ……)

今春から始まった国民的学園ドラマ『環七先生』の新シリーズの時間。スポンサーである河海塾のテレビCMが流れた。

『高校受験なら河海塾っ!みんなも一緒に学ぼっ!』

ブラウン管の中でセーラー服に身を包んだ小山田梨果。隣に並ぶこのドラマで主演もしている人気子役の真田美幸にも負けぬ劣らぬ美しさだ。

「はぁ……」

突然の小山田梨果のお茶の間登場に変な汗をかいた。

「ねえお母さん、まひろ今CMに出てた人に会ったんだよ。」

「へえー!どういう縁で?」

「お兄ちゃんの彼女なのー!」

「「えっ?!」」

両親が一斉に弘斗を見た。

「ちがっ!た、ただのクラスメイトだよ。」

「だよねー、でもすごく可愛い子ね。」

(だよねーっておい……)

「でも父さんは奏音ちゃんの方がタイプかなー」

父親は以前学園の体育祭を見に来た時から角山奏音がお気に入りだった。

「弘斗、ぜひ奏音ちゃんを嫁にな。」

「はいはい……」




翌日の放課後、あいにく日直だった弘斗は馬場教諭へ届け物をする仕事を頼まれ教官室へ向かった。
教官室とは校舎の離れにあるプレハブ小屋で体育系顧問の詰め所のような場所だ。

コンコンコン

「室賀です。失礼します。」

「おう室賀、放課後なのに申し訳なかったな。」

届け物を馬場教諭に渡す。

「いえ、じゃあこれで失礼します。」

「あ、えっと室賀……?」

「はい?」

「……い、いやなんでもない。気を付けて帰れよ。」

「……失礼します。」


教室に戻ると誰もおらず約束していた小山田の姿さえもなかった。

(あれ?小山田は?)

もう一度廊下に出て見渡すが人影は一つもない。

……と思ったが。

(あれ?)

トイレの扉からひょこっと小さな頭が覗いた。

(え?小山田……)

廊下の様子を窺うようにキョロキョロとしている。弘斗は見つからないように急いで教室に身を潜めた。
なぜかというと小山田が出てきたのが……
男子トイレだったからだ。

(小山田がなぜ男子トイレから?)
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