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私立桐邦音楽大学附属中学校
第19章 小山田梨果の住む町①
「ありがとう、奢ってもらっちゃって……」
弘斗が何度も払うと言っても小山田は断固と受け取ろうとしなかった。
「いいのいいの。お金の使い道わからなくって。」
「え?」
「いこっ?」
「あれ?梨果ちゃん。」
自転車店の前に差し掛かると老爺に声をかけられた。
「自転車屋さん……」
小山田の顔色が曇る。
「そちらさんはもしかして彼氏?」
「い、いえ……」
「そうだよ!私の彼氏!いこっ室賀くん。」
「えっ?えっ?」
腕を組まれ引っ張られるようにその場から離れた。
(む、胸の感触が……!!)
「ど、どうしたの?小山田。」
「あの人苦手なの。優しい顔していやらしくて非道い人。」
(いやらしい?何があった?)
その後も商店街を2人で歩いていると様々な人に小山田は声をかけられ笑顔を向けていた。その都度弘斗は彼氏だと疑われて否定をしていた。
(こんな俺が彼氏と噂されたら小山田が可哀想だもんな……)
「しかし小山田さ。」
「なぁに室賀くん。」
「人気者なんだな。」
「まー生まれ育った町だからね。知り合いは多いよ。良くも悪くも。」
「良くも悪くも?」
「そ。良くも……悪くもね……」
「……?」
弘斗が何度も払うと言っても小山田は断固と受け取ろうとしなかった。
「いいのいいの。お金の使い道わからなくって。」
「え?」
「いこっ?」
「あれ?梨果ちゃん。」
自転車店の前に差し掛かると老爺に声をかけられた。
「自転車屋さん……」
小山田の顔色が曇る。
「そちらさんはもしかして彼氏?」
「い、いえ……」
「そうだよ!私の彼氏!いこっ室賀くん。」
「えっ?えっ?」
腕を組まれ引っ張られるようにその場から離れた。
(む、胸の感触が……!!)
「ど、どうしたの?小山田。」
「あの人苦手なの。優しい顔していやらしくて非道い人。」
(いやらしい?何があった?)
その後も商店街を2人で歩いていると様々な人に小山田は声をかけられ笑顔を向けていた。その都度弘斗は彼氏だと疑われて否定をしていた。
(こんな俺が彼氏と噂されたら小山田が可哀想だもんな……)
「しかし小山田さ。」
「なぁに室賀くん。」
「人気者なんだな。」
「まー生まれ育った町だからね。知り合いは多いよ。良くも悪くも。」
「良くも悪くも?」
「そ。良くも……悪くもね……」
「……?」