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私立桐邦音楽大学附属中学校
第4章 パンチラ
昼休みに購買でパンでも買おうと向かっている途中、中庭のベンチに1人佇む小山田梨果がいた。

(……小山田)

彼女は特に何をするでもなくぼーっと考え事をしているようだった。

弘斗は声をかけたかったがその美しい姿に緊張してしまいそのまま購買へ向かった。

(小山田梨果…考えれば考えるほど謎すぎる…)

弘斗は誰にも勧められない小山田梨果という存在に益々のめり込んでいってしまった。


無事パンを購入し、直江と練習の約束をしていたのでヴァイオリンを持って音楽室へ向かった。

「よぉ直江。おまたせー。」

「おせえよ!」

「まぁそう言うな。お前の分のパンもあるからさ、ほれ。」

コーンデニッシュパンを直江に投げる。

「おっ!サンキュ!」

「とりあえず腹を満たしてから練習な。」

「はいはい。」

2人は飲食禁止の音楽室で昼食を摂る。

「さっき角山となに話してたんだ?」

そう。直江は角山奏音に惚れている。

「あ?ヤキモチか?大した話じゃねーよ。」

「なら余計教えろよ!」

「あぁ、ちょっと小山田についてな。」

「小山田って休学してたピアノの小山田梨果か。」

「ああ。」

「あいついろんな噂話があるよな。本当に謎の美少女だよ。」

「いろんな噂とは?」

「年上と付き合ってるとかヤリマンとか援交してんじゃねーかとか。」

「…全くいい噂話がないな。」

「謎な美少女だけにテキトーなこと言われるんだろうよ。根も葉もないことだと思うけどな。」

「直江…お前っていい奴だよな。」

「はぁ?!早く食って練習するぞ!」
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