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私立桐邦音楽大学附属中学校
第9章 中学生らしい下着
放課後、男子たちは内藤に詰め寄った。

「な、内藤!小山田にチョコ貰ったのか?!」

「おう!」

したり顔の内藤隆俊。

「ま、マジか!それ見せてみろよ。」

「ああ、いいけどよ。」

制服のポケットから小さな箱を出す内藤。

「……微妙だ。」

「微妙だな……」

「あぁ微妙すぎる……」

「おい!みんな微妙微妙言いすぎだろ!」

「確かにラッピングはされてるし去年室賀が角山に貰った板チョコよりかはマシかもだけど……」

「ま、義理だな。」

「ああ義理だね。」

「はい義理チョコ決定ー!」

「あー良かった。」

「みんなー解散~!」

「ちょ!おい!お前ら……」

男子たちはほっとした表情で内藤のもとから去って行った。


「……貰えただけマシだよな。」

弘斗が内藤に呟く。

「だろ?!何しろあの小山田がくれたチョコだぜ?それなのにあいつらときたら……」

「負け惜しみみたいなもんだろ。まあ俺もその一人だけどな。」

「……室賀も貰えなかったのか?」

「ああ……」

「そうか。」

「……」

「お礼なんだってさ。」

「お礼?なんの?」

「この間さ、ほかの女子中学生はどんなパンツを穿いているのかとか男子中学生はどんな下着に興奮するのかと質問されてな。」

「は、はぁ?!小山田がお前にそんなこと聞いたのか?」

「ああ、俺も驚いたけど内藤くんなら詳しそうだからと……」

「あー……それで答えたのか?」

「ああ。そして小山田と2人で下着を選んだ。」

「……え?」

「その時のお礼なんだとさ。このチョコ。」

(2人で小山田の下着を選んだ……だと?)

「おっと、俺これからトランペットの練習するから行くな。もうすぐ音楽会だぞ。室賀も練習しろよな。」

「ちょ、内藤……」

聞きたいことはたくさんあったが内藤は教室から出ていった。


「くそっ!俺も練習するか……」

ペアの直江はいつの間に帰ったようで姿がなかった。
仕方なく個人練習でもしようと音楽室へ向かった。
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