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私立桐邦音楽大学附属中学校
第11章 学内音楽会
ピアノ部門が終演し休憩を挟んでアンサンブル部門となる。ピアノ専攻の生徒は各楽器のパートナーの伴奏もするので二度ステージに出ることになる。
「ピアノ専攻だけ二曲練習するの大変だよな。」
「俺は好きだから苦じゃないけどな。」
直江は本当にピアノが好きらしい。
「……ペアが角山じゃなくて本当ゴメンな。」
「あ?なに言ってんだ、室賀のせいじゃねえだろ?」
〈続きましてヴァイオリン専攻、2年室賀弘斗くん。〉
「よし、出番だバシッと行こうぜ!」
「ああ。」
弘斗と直江がステージに出る。
♪チャルダッシュ♪
モンティ作曲の課題曲だ。リズムの緩急のある面白い曲だ。
パチパチパチパチパチ!!
なかなかの喝采を浴びた。本人たちにとってもなかなかの演奏だと感じた。
「ふーっ!緊張したー!直江ありがとう!」
「お、おい室賀……」
緊張がほぐれて舞台袖の床に大の字で寝転ぶ弘斗。
「室賀うるさい!しーー!しかもなんで寝ころんでんのよ!」
出番待ちの角山奏音に小声で叱られた。
「うっせ!スカート覗くぞ!」
「うっわ!さいてー」
「おい!室賀ふざけんな!」
怒る直江。
「おい、お前ら静かにしろ。」
教師に叱られる3人。
「「「すみません……」」」
そんなやり取りの中も角山のペアである小山田梨果は微笑みもせず俯いていた。
「行こうぜ室賀、角山の演奏を客席で観たい。」
「わかった戻ろう。」
直江の希望で弘斗と客席に戻る。
(小山田が心配だな……)
弘斗はあれからあまり会話をする機会がなかった小山田の近頃の表情に違和感を覚えていた。
どこかぽぉっとして心ここに在らずな印象だった。
〈ヴァイオリン専攻、2年角山奏音さん。〉
おおっ!!
なぜか歓声があがる人気No.1美少女角山奏音。
♪チャルダッシュ♪
美しい姿で演奏する角山奏音。会場はその姿に釘付けだ。
そして弘斗の心配をよそに角山奏音の演奏は盛大な拍手に包まれた。
しかし盛大な拍手の中でも小山田梨果の表情は固かった。
(小山田……)
「小山田が角山に引っ張られてたな。あれじゃ伴奏として失格だ。」
「ああ。」
直江は角山の演奏を讃えつつ小山田の伴奏を酷評した。
〈続きましてトランペット専攻、2年内藤隆俊くん。〉
……そして一般部門が終了した。
「ピアノ専攻だけ二曲練習するの大変だよな。」
「俺は好きだから苦じゃないけどな。」
直江は本当にピアノが好きらしい。
「……ペアが角山じゃなくて本当ゴメンな。」
「あ?なに言ってんだ、室賀のせいじゃねえだろ?」
〈続きましてヴァイオリン専攻、2年室賀弘斗くん。〉
「よし、出番だバシッと行こうぜ!」
「ああ。」
弘斗と直江がステージに出る。
♪チャルダッシュ♪
モンティ作曲の課題曲だ。リズムの緩急のある面白い曲だ。
パチパチパチパチパチ!!
なかなかの喝采を浴びた。本人たちにとってもなかなかの演奏だと感じた。
「ふーっ!緊張したー!直江ありがとう!」
「お、おい室賀……」
緊張がほぐれて舞台袖の床に大の字で寝転ぶ弘斗。
「室賀うるさい!しーー!しかもなんで寝ころんでんのよ!」
出番待ちの角山奏音に小声で叱られた。
「うっせ!スカート覗くぞ!」
「うっわ!さいてー」
「おい!室賀ふざけんな!」
怒る直江。
「おい、お前ら静かにしろ。」
教師に叱られる3人。
「「「すみません……」」」
そんなやり取りの中も角山のペアである小山田梨果は微笑みもせず俯いていた。
「行こうぜ室賀、角山の演奏を客席で観たい。」
「わかった戻ろう。」
直江の希望で弘斗と客席に戻る。
(小山田が心配だな……)
弘斗はあれからあまり会話をする機会がなかった小山田の近頃の表情に違和感を覚えていた。
どこかぽぉっとして心ここに在らずな印象だった。
〈ヴァイオリン専攻、2年角山奏音さん。〉
おおっ!!
なぜか歓声があがる人気No.1美少女角山奏音。
♪チャルダッシュ♪
美しい姿で演奏する角山奏音。会場はその姿に釘付けだ。
そして弘斗の心配をよそに角山奏音の演奏は盛大な拍手に包まれた。
しかし盛大な拍手の中でも小山田梨果の表情は固かった。
(小山田……)
「小山田が角山に引っ張られてたな。あれじゃ伴奏として失格だ。」
「ああ。」
直江は角山の演奏を讃えつつ小山田の伴奏を酷評した。
〈続きましてトランペット専攻、2年内藤隆俊くん。〉
……そして一般部門が終了した。