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第12章 下着姿で謝罪

〈明日から春休みになりますが羽目を外さぬよう新学年に備えるように。〉

修了式の校長先生の有り難いお言葉を頂戴するも校内は昨夜の小山田梨果のCM出演についての話題で持ち切りだった。

２学年のこのクラス最後のホームルームを終えると案の定小山田梨果はクラスメイトたちに取り囲まれた。内藤隆俊をはじめ、男子も女子も小山田を質問責めにしていた。

「驚いたのなんの。ドラマ見ようと思ったらCMに小山田がでてくるなんてな！」

「共演してるのあの真田美幸でしょ？小山田さん全然見劣りしてなかったよねー！」

「同レベル……いやむしろ勝ってるっしょ！」

「うんうん！すげー可愛かったよ小山田！」

「あ、ありがとう……」

「メイクのおかげでしょ？」

「そ、そうだよね……」

「セリフがすげー棒じゃなかった？」

「ごめん何回も撮り直してあれでもマシになったんだけどなーあはは……」

(……)

肯定的な意見だけではないようだった。

弘斗もこのクラス最後の日に小山田梨果と話したかったが、こんな状態では無理そうだった。仕方なく机の中の荷物を空にして全ての私物をスクールバッグに詰め込んだ。

(重っ……)

そして誰にも挨拶するでもなく彼は教室を後にした。

(気分転換でもしよう……)