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私立桐邦音楽大学附属中学校
第16章 小山田が自宅訪問
意気揚々と行進する小山田梨果を追うように弘斗は駅へと向かう。突然恋する女子の自宅訪問が決まり、自分の部屋が片付いていたかどうかが気になって仕方がなかった。

「……多分大丈夫。」

「んー?室賀くんなにか言った?」

「いやゴメン独り言。部屋が片付いてたかなーと気になって……」

「たとえ片付いてなかったとしても普段の様相を見るのが趣旨だからいいよ。」

「それなんの査察?!」

「やましいものあるかなーワクワク。」

「多分期待するような物はないと思うけど。」

「え?ないの?!エロ本とかも?」

「ないない。」

正直な回答だ。弘斗はそういう類の成人メディアには興味がなかった。

「うそっ信じられない。同い歳の友也くんの部屋にはたくさんあるのに!?」

「ま、まぁそれが普通の男子中学生かもしれないね。」

「それおじさんも同じこと言ってた。」

「その友也くんとやらもそんなのを父親に悟られて気の毒だね。」

「エロ本もビデオも見ないでどうやってオナニーしてるの?」

「小山田…だんだん質問に遠慮がなくなってきたね……」

「ええー教えてよー」

(くーっ!可愛い顔しやがって……)

「……妄想とか記憶を頼りにしてかな。」

「あーさすが優等生、脳味噌頼りね。で、その記憶に私が登場するわけだね?」

「まあそうだね……」

「以前までは何を妄想してたの?」

「……えっと。か……」

「か??」

「か……角山。」

「奏音?!」

「う…うん。」

「…そっかー奏音かーなるほどね納得。」
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