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私立桐邦音楽大学附属中学校
第2章 朝のご褒美
教室を目指して階段を上る。度々すれ違うクラスメイトたちに遅刻をからかわれつつ女子の体操着姿を堪能した。

「こう見るとアイツはほんとに中学生か?ウチの小学生の妹よりペッタンコだろ。」

「なーに独りでブツブツ言ってるんだよ重役さんは。」

「おう直江か。」

階段の踊り場で直江に会う。彼も体操着に着替えていた。

「で、何がペッタンコだって?」

「高遠だよ高遠。アイツは飛び級か何かか?」

「あははは!確かにそう思うよなー。でもよく見てみ?あれでもアイツ整った顔してるんだぜ?」

「あぁ?いつからお前はロリコンになったんだよ。なんなら角山は俺が貰うぞ?」

「は?!なんでそうなるんだよ!」

「あはははは」

キーンコーンカーンコーン♪

「あ!やば予鈴だ!じゃあ俺は行くぞ、お前も急げよ?」

「へーい。」

(なーんてね、角山は高嶺の花だ。関わらん方が身のためだ)

「おーい、そういえば今俺らの教室は女子更衣室になってるからなー!」

直江の最後の叫びは弘斗の耳に届いていなかった。
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