この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第20章 冷たい手枷


「止まれシアン!これは命令だ!」

「……っ」


 居住区を抜け、クオーレ地区への城門をぬけた所で、ついにシビレを切らしたバヤジットがシアンに命じた。

 それまで早足に進んでいたシアンだが、仕方なく足を止める。

「命令であれば、止まりますが」

「…何か俺に話す事は無いのか?」

「ありません」

 頑(かたく)なに態度を変えない。此方を見ようとしないシアンに、バヤジットが歩み寄る。

「俺はお前に聞くべき事がいくつかあるぞ…」

「そうでしょうね」

「自覚しているならお前から話せ。…何故話そうとしない?」

「……。話すコトができないからですよ」

「……!」

 グッと切歯するバヤジット。

 バヤジットは近衛隊の将官という立場である。そんな彼にとって、先ほど意図せず遭遇してしまった密会は──とても、危険なのだ。

「素直に話す気が無いのであればっ……仕方無い」


ガッ‥!!


「付いて来い」


 彼はシアンの腕を掴んだ。

 シアンはされるがまま。抵抗を諦めてバヤジットに連られて歩いた。

 バヤジットは近衛隊の練兵所の隣り、司令部に向かう。

 近衛隊の権威を象徴するこの建物は王宮にも並ぶ巨大な建築物だ。けれど実際はいっている機能としては、各師団の将官と副官に与えられた執務室や会合室など、あまり多くはない。

 その中でバヤジットがシアンを引きずって来たのは、この建物の下層にひっそりと増設された──

 冷たい石壁の牢獄だった。


/401ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ