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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第28章 引き返せぬ運命


「異論があるなら今度こそ僕を止めてください」


「な…!?」


「……でも、優しい貴方にはそれができない」


ドスッ....!!


「‥‥!?‥ぐ‥‥‥!?」


 シアンを抱き締めていたバヤジットが目を見張る。

 歯を食いしばり視線を下ろすと、バヤジットの太ももに銀色の針が刺さっていた。


 カランと針が落ちる。


「シア ン…!?」

「麻酔針です。しばらくの間、痺れが続きます」

「な…‥んだと…‥!?」

 その針にしこまれた毒は、バヤジットの大きな体躯すらあっという間に侵蝕した。

 シアンが身体をひねる。

 バヤジットは彼を捕まえておれず、がくりと床に膝をついた。

 そんなバヤジットの前で、シアンは堂々と外への扉を開けた。

「…っ…待て…」

「……」

「待て!待て……シアン!いったい何をするつもりなんだ!」

「僕を止められない貴方にそれを問う資格などありません」

 バヤジットが手を伸ばしたが、痺れで力が入らない手は簡単にはらわれる。

「…やめ…ろ、行くな…!まだお前は…!」

「……っ」

「まだ……引き返せるだろう……!」

「……、無理ですよ…っ」

「シアン!」

「もう…戻れない」

 自身に言い聞かせるかのように…静かに語る背中。

「オメルのこと……どうかよろしくお願いします」

 オメルの弔いだけを託して、たったひとり、シアンは夜へと戻っていく──。

 待てと叫ぶバヤジットの声だけでは到底、彼の足を止める事はできないのだ。











──…






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