この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第30章 捨て置いたモノ
グルルル・・・バウ!
ガルルルル・・・・!
地下に響く唸り声
ポタポタと…牙の隙間からしたたる唾液
荒々しく逆立つ黒色の毛
手下の男が連れてきたのは、興奮状態にある大きな体躯の猟犬だった。
「卑しい貴様に相応しい罰を与えてやる…」
「ハァ‥‥‥ハァ‥‥‥」
「牢へ放て!」
空腹かに見える猟犬は、実はそうでは無い。
それは特殊な刑罰の為にヤク漬けにされた獣。刑囚を犯し、尊厳を剥ぎ取るための道具。
獣と繋がるものは、獣だ。
人間ではない。陽の国にも もちろん行けない。死後の永遠は……業火で焼かれる運命。
「 " 人 " を捨てた貴様はここで…獣として死ね…!」
牢に放たれた猟犬がシアンの上に被さる。
「どうせ腹の中身は家畜どもの体液だろう?油を塗りこむ必要もないな」
ガルルッ!ガルルッ!
前足でシアンの腰を捕まえ、硬く勃った陰茎を押し当てる。その必死さは、まるでシアンの色気にあてられたかのようだ。
もどかしそうに吠える犬は、ようやく目的のアナを探り当て、突き入れる
「‥ッ‥!」
そこから高速で腰を振り出した。
斜め下から突き上げられ、うつ伏せで横たわるシアンの尻が上がる。大きく背をしならせて首をそらす。
パチュンパチュンと水音も聞こえるのは、彼の体内に注がれた淫液が暴れているのだろう。
ガルルッ!ガウ!ガルルル!ガルルル!
馬乗りになった猟犬は無我夢中で彼を犯した。
タランの部下達は目の前の光景に怯えて後ずさる。ひとりは吐き気をもよおして、慌てて口を抑えた。
この行為には愛や嗜虐(しぎゃく)といった感情の類いが抜け落ちている。
ただの交尾なのだ。
「‥フッ…!! ぅッ……ぅッ‥…は…‥あ……!!」
「貴様……!」
そして何より醜怪(しゅうかい)なのは……
発情した獣に蹂躙される青年の、その美しい顔から笑みが消えないことであった──。
異常だ
その後 タラン達が地下を去った後も、発情を誘うシアンの甘い鳴き声が──喉が枯れるまで、響き続けた。
──…