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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第37章 痛みを映す鏡
「はぁーーっ……シアン……!!」
「……っ」
唇を離したバヤジットが、一段と低い息を吐き出してシアンを見下ろす。
その目はぐっとこわばり、何かを必死に堪える顔は、額に汗を滲ませていた。
白い柔肌を傷付けないように…バヤジットの掌がゆっくりと触れ、撫で下ろす。
まるで彼のカタチを確かめているかのように、頬にそえた手で、長い首をたどり、胸の間から腹部へと滑らす。
その感触だけで、シアンの身体は打ち震えた。
「くそっ……こんなに……傷を付けられて……!!」
生傷を刻まれた肌を凝視したバヤジットは、我慢できずに舌を這わせた。
敏感な首筋を湿った感触が這う。
「ぁ……!?」
熱い吐息が耳許で吐き出された時──…シアンは本当に、自分はこの男に喰われるのではと思うほどだった。
けれど荒々しい息遣いとは反対に、舌も手も、触れる感触は慎重で優しい。
硬い肉刺(まめ)のある掌が、あたるか離れるかの際どさで撫でてくる。
「…やめて…っ…‥やめて、ください」
抵抗するシアンが弱々しく声を出す。
バヤジットはそれを無視した。
ゆっくりと首筋を舐め、頬に口付ける。震える肩を撫でた後──…ぴんと尖った胸の突起を口の中にふくんだ。
「あっ‥ああ…!!」
咄嗟にシアンから媚声が零れ
それを聞いたバヤジットは少しだけ動きを止めた。だが、一度深く息を吐き出してから、再び唇を落とす。
「い…ッ……いけません!……これ、以上は」
「ハァ…!!」
「‥バヤジッ ト‥さま‥‥// 」
焦るシアンのよがり声は、いつものような相手を誘うものではない。男の告白に動揺しているせいで普段通りに振る舞えないでいた。
クチュ····チュッ······
「あ、あ…//」
ここにあるのは単なる快感だけじゃない。
未知の感覚に逃げそうになる身体は、大きな手で抑えられている。
桃色の尖りを角度を変えながらねっとりと舐められて、全身がビクビクと反応した。
膨らみだした乳暈まで…丁寧に舐められていく。