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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第38章 新たな思惑
「‥‥陛‥‥下、何を‥‥!?」
「……」
行動の突拍子の無さとは裏腹に、アシュラフは冷静な目でこちらを見下ろしている。
「もう一度だけ答えさせてやろう…──王都に来る以前は何処にいた?シアン・ベイオルク」
「…っ…それは…」
「言えぬ理由があるのか?」
「いえ!そうではありません。私は幼きころ…カラハ城塞の隊商宿で親に捨てられたのを捕えられ、その街の娼館で…客をとっておりました」
「……それから?」
「そこでタラン様と出会い、密偵として帝国にわたり…先の内乱で即位した皇帝に取り入り、役人と、なりました。火槍(シャルク・パト)の設計図を手に入れ、キサラジャへ帰還したのです」
シアンのほうもまた、動揺する頭とは裏腹に、流れるように嘘を吐く口だけは冷静だ。
この問いの裏にナンの意図があるのか
シアンにしてみればそちらの方が気がかり。
一方、アシュラフは真意を測りかねる冷たい声で、改めてシアンに問いを投げた。
「この肌の色……我が国において珍しい。お前の親は西国の異教徒だな」
「……!?」
男の手がシアンの頬に触れ、首筋を撫で下ろす。
次にその手はどういうわけか腰のクシャック(帯)をほどいた。
緩んだ上衣をまくられれば…肌着の隙間からシアンの半身がのぞいた。
髪を掴まれているシアンは動けずに固まっている。
スルッ...
「……っ」
掌で確かめるように腹から胸を撫でられると、思わず肌が震えた。
「白いな……、衣の下も」
腰のまわりも五指が這い、輪郭をたどって撫でられる。
「陛下……!何を、なさるのですかっ……?私は武器など隠し持っておりません」
「疑われている自覚はあるらしい」
「陛下……っ」
「…………ん?」
じっと堪えているシアンの反応を見て
アシュラフの手が止まった。
「お前…──よもや
王の身前で発情しているのではあるまいな」
帯をとかれて落ちた脚衣(シャルワル)は、シアンの下半身を十分に隠せていなかった。固さをもって起ち上がろうとしている屹立が…薄い下着ごしにそのカタチを晒している。
シアンは不味いと思った。
しかし、敏感な肌を撫で回された彼の目は、すでに熱っぽく潤んでしまっていた──。
──