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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第39章 偽りの色

 シアンが王の寝所にいる時間、バヤジットはとある用事でシアンを訪ね、宿舎に来ていた。

 けれどちょうど着こうというタイミングで、シアンの部屋から二人の侍従が出てくるのを見る。

 よって相手を呼び止めた。

「何事ですか?そこはシアンの部屋では」

「バヤジット将官か。これは陛下のご命令だ」

 侍従は部屋から荷物を運び出していた。それは数少ないシアンの持ち物だ。

「陛下の命令?その荷をどこへ運ぶつもりですか?」

「王宮だ」

「何故だ?」

「議会の通達をご存じないか?シアン・ベイオルクは陛下の護衛に任命されたのだ。まったく……どういう手で取り入ったのか知らんがな」

 そう言って侍従たちは外へ向かう。

 そういう話であれば、シアンはここに帰ってこないのか。

“ 護衛のために部屋を王宮に移すということか。しかしわざわざ侍従を使って荷を運ばせるというのも、気妙だな…… ”

 通達の件はすでに知っていたが、少しの違和感とともに……いぶかしげに侍従たちの背中を見送るバヤジットだった。




──



 バヤジットと別れた二人の侍従は、命令どおり荷物を手に王の寝所に向かった。

 扉を引き中へ進むと、突き当たりの天蓋の前にひとつの椅子が置かれ、その上で卑猥な責め苦がおこなわれていた──。

「あ、ああ…っ」

 一糸まとわぬ姿。両の足は、椅子の肘掛に固定されて広げられ、背後の近衛兵に手を押さえられ、いっさいの動きを封じられた裸体。

 腹の上にのせられた たっぷりの香油を使って、別の近衛兵が彼の弱いトコロを撫でさすると…

 切ない吐息が漏れるに合わせ、しなやかな肢体が苦しげに震える。

 胸の先の桃色の尖りを指の腹でつままれたり、濡れた掌で潰すように回されたり。腕をあげて無防備な腋(わき)は、窪みの柔らかいところをクチュクチュと弄られている。

「…‥はぅっ‥…んッ…‥ん‥//」

「は…、ワキでこんなに乱れるとは、そーとー好き者だな」

 拘束する近衛兵が馬鹿にしたように笑い

「これでよろしいのですか?陛下」

「……ああ、続けろ」

 この行為を彼等に命じたスルタン・アシュラフへ、伺いをたてた。


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