この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第39章 偽りの色
シアンが王の寝所にいる時間、バヤジットはとある用事でシアンを訪ね、宿舎に来ていた。
けれどちょうど着こうというタイミングで、シアンの部屋から二人の侍従が出てくるのを見る。
よって相手を呼び止めた。
「何事ですか?そこはシアンの部屋では」
「バヤジット将官か。これは陛下のご命令だ」
侍従は部屋から荷物を運び出していた。それは数少ないシアンの持ち物だ。
「陛下の命令?その荷をどこへ運ぶつもりですか?」
「王宮だ」
「何故だ?」
「議会の通達をご存じないか?シアン・ベイオルクは陛下の護衛に任命されたのだ。まったく……どういう手で取り入ったのか知らんがな」
そう言って侍従たちは外へ向かう。
そういう話であれば、シアンはここに帰ってこないのか。
“ 護衛のために部屋を王宮に移すということか。しかしわざわざ侍従を使って荷を運ばせるというのも、気妙だな…… ”
通達の件はすでに知っていたが、少しの違和感とともに……いぶかしげに侍従たちの背中を見送るバヤジットだった。
──
バヤジットと別れた二人の侍従は、命令どおり荷物を手に王の寝所に向かった。
扉を引き中へ進むと、突き当たりの天蓋の前にひとつの椅子が置かれ、その上で卑猥な責め苦がおこなわれていた──。
「あ、ああ…っ」
一糸まとわぬ姿。両の足は、椅子の肘掛に固定されて広げられ、背後の近衛兵に手を押さえられ、いっさいの動きを封じられた裸体。
腹の上にのせられた たっぷりの香油を使って、別の近衛兵が彼の弱いトコロを撫でさすると…
切ない吐息が漏れるに合わせ、しなやかな肢体が苦しげに震える。
胸の先の桃色の尖りを指の腹でつままれたり、濡れた掌で潰すように回されたり。腕をあげて無防備な腋(わき)は、窪みの柔らかいところをクチュクチュと弄られている。
「…‥はぅっ‥…んッ…‥ん‥//」
「は…、ワキでこんなに乱れるとは、そーとー好き者だな」
拘束する近衛兵が馬鹿にしたように笑い
「これでよろしいのですか?陛下」
「……ああ、続けろ」
この行為を彼等に命じたスルタン・アシュラフへ、伺いをたてた。