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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第4章 掌握する者
「スレマン・バシュが地区内の見回りをしているぞ!持ち場に戻ったほうがいい!」
「んっ…んんっ‥‥!?」
だが、シアンが覚悟をしたよりも随分早く、終わりの合図が食堂に響いた。
閉まった扉ごしに、廊下から誰かが叫んだのだ。
扉向こうの男の声はそれきりで、自分もどこかへ走って行ったらしい。
「はぁっはぁっ…─あ?…何か言ってたか?」
「馬鹿!バシュが見回りしてるらしい!ここで油売ってるのが見つかると不味いぞ」
「バシュが!? な、んで急に見回りなんて」
「いいからその汚いのをしまえ、出るぞ!」
シアンを押さえ付けていた二人は急にあたふたと慌て出し、床に投げていた槍を持って部屋を飛び出した。
シアンの口を犯していた男にいたっては、まだ下の隊服も履ききらないうちに、もうひとりを追いかけて走り去ってしまった──。
──
「……………」
残ったシアンは、しばらく仰向けの体勢から動かない。
「…………ケホッ」
それからひとつ咳をして、静かに上体を起こす。
片膝を立てて机の上に座るシアンは、一糸纏わぬ姿のまま、またしばらく停止した。
ドクン...ドク....
弄ばれたうえに放置された屹立が、不満気に熱く疼いている。
しかしどうする事もない。シアンはその熱が収まるまでを待っていた。
そして徐々に大人しくなり重力にそって垂れてくるのを確認した後、彼は重たい腰を上げた。