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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第39章 偽りの色

 戒めから開放されたことで、せき止められていた血流がグワッと熱を持つ。

 喉の奥で呻いたシアンが身体をこわばらせた。

「ハァッ‥‥ハァッ…‥‥‥」

「死にたくなければ息をしろ。抜いてやる」

「ゃめッッ‥…‥ソレは、‥‥なりません、陛下‥‥!!」

 布をといた男の指が、蜜口をふさぐ淫具に触れたからだ。

 細い金属の先端をつまみ、引き抜こうとするのを…

「‥ッッ‥おやめください!」

 怯えた声が静止する。

 蓋をされたまま何度も達しているのだから、こんな状態で解放されたらと想像すると……身がすくむ。

「それを抜いてしまったらっ‥‥‥私はこの部屋を‥‥貴方を穢してしまいます‥‥!!」

「そんなもの構わんだろう?お前が見ている視界の中に、綺麗なモノなどひとつもないぞ」

「ああっ‥‥おやめください!お許し、ください‥‥」

 だがシアンの静止は聞き入れられず、精路を犯している恐ろしい棒がズルズルと引き抜かれた。

「~~~‥‥ッ‥ぅ゛ああぁ!」

 挿れられるのも辛いが、抜かれるのも同じように耐え難い。

 下半身は痺れきっていてとっくに感覚がつかめないのに、神経だけは死にたくなるほど鋭敏なのだ。

 焼け付くように走り寄る絶頂と、それに被さって後を追う射精感に同時に襲われる。

「アッ!…あぁ‥‥‥っ‥!」


ズルッ・・・


「ああぁぁっ‥‥//」

 ちゅポンと最後まで抜かれた瞬間、シアンは腰を何度も跳ねさせて極みに達した。

 屹立から飛ぶ白蜜の量はおびただしく

 吹き出した先の石床と──男の衣服の裾に滴(したた)った。


「‥あっ!…ハァ、ああ、あ‥‥」


「……」


「‥‥…ハァ…‥ぁ、そん‥な」


 ちぎれそうなほど緊張していた四肢が、ぶるぶると痙攣した後に脱力する。

 椅子に身体を沈めたシアンは、取り返しのつかない惨状を前に狼狽えるが…その目は、初めアシュラフに口付けられた時と同じく、欲情を隠せていなかった。


「ん‥‥ッ‥」


 それから再び──男が顔を近付ける。


 椅子の肘おきに両手をついたアシュラフは、シアンに被さり、唇をふさいだ。


 シアンは朦朧とした意識で口をひらいて、ゆっくりと舌を絡め返した。









───…






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