この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第42章 空虚なる交錯
ほどかれた上衣を剥ぎ取り裸体を晒されようと抵抗しない。汗で濡れた白い肌は、撫でられるたびにビクビクと敏感にうち震える。
そんな肌を這う掌の感触は火のように熱い…。アシュラフも酒のせいで身体が火照っているのかもしれなかった。
「…ぁ‥…ああ‥」
細く引き締まった腰を撫でられると、悩ましくくねらせて切ない声を出す。
「……っ」
アシュラフは片手でシアンの顎ごと首を掴み
押さえ付け、口付けのあわいで問い詰めた。
「呼ばないのかっ……!! ───俺を」
「はぁ‥‥はぁ‥‥」
低く吐き出した男の声は
苦しそうに息切れている。
うっとりと濡れた目で見つめ返すシアンは、そんな相手に見蕩れるだけだった。
自分を責め立て首を絞めてくる手の力が……自分だけに注がれる抗議の視線が……心地良い。
だからシアンは嬉々として微笑んだ。
「…っ…お前」
「陛‥‥下‥‥!」
相手の想いも、自身の目的も忘れて投げやりに笑う。だから早く次の口付けが欲しかった。
見下ろすアシュラフは思わず指の力を強めて、本当に絞め殺してしまいそうになる。
そんな溢れる激情をぎりぎりのところで抑えた男は、シアンの挑発にのらず、首を絞めていた手をそっと…鎖骨へと滑らせ、胸の中心を辿って下腹部へと動かした。
その手が脚衣(シャルワル)の内側からシアンの男根を引き出す。
「アッ…!!」
五指が別々の動きをして芯を揺さぶり、敏感な先端をいたずらに掠った。
触れられたそこへ向かって血が渦巻いて、たまらずシアンが手を伸ばすと、被さるアシュラフの衣服が乱れて腹部がのぞく。
丁度良いとばかりにアシュラフは、自身の屹立も下衣から解放した。猛るそれがシアンのものと重なると…互いの体温と生々しい感触が伝わり合う。
それはあまりに淫らな感覚だった。
二人は目頭を熱くしながらその光景をじっと見ていた。