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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第42章 空虚なる交錯
焦点を失った……朧げな目
呂律(ろれつ)が回らない舌
「はぁ‥‥はぁ‥‥!!」
──嫌だ
「達したいのか?」
「‥‥あ、ぅぅぅ‥‥!!‥‥そうでは、なくて」
違う
「違う‥‥あああ‥// お許し‥くださ‥」
「…っ」
欲しいのはコレではない
「お許しください‥‥っ、あ‥‥
あ‥‥‥‥‥ 兄 上 」
「──…!」
「‥‥ひとりは‥‥イヤ です‥‥」
違う……コレではない
ひとりで悦くなっても意味が無い
「‥‥ぁ‥‥、あに‥‥う‥え‥‥!!」
「お前……」
かろうじて聞き取れるかどうかの声でシアンが叫ぶ。
この瞬間、せきが切れたかのように彼の口から想いが溢れた。
ひとりで得る快楽など虚しい。寂しい。
寂しいのはもう嫌だった。
孤独なのだ。
ひとりになるのはもう──…堪えられなかった。
「僕は‥‥二度と、貴方‥と‥‥‥‥!!」
「…………!?」
涙をためた目でシアンが言うと
言葉を無くしたアシュラフが、心の臓をわしづかまれたかのような顔をする。
....
《 兄さまー!兄さまー! 》