この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第42章 空虚なる交錯
何故、ここまで傷付けてしまったのだろう
《 約束です 》
いつの自分を正せば
あの日の約束を果たせたというのか
《 この先何が起ころうと……
僕は兄さまのそばを離れません 》
離れたくなどなかった筈だ
《 この国の君主となられる貴方をいつまでも
…いつまでも支え続けると、約束します 》
疑いたくなどなかった
記憶の中の顔は、いつも此方を真っ直ぐと…ただひたむきに見つめていたのに
《 僕は、兄さまを、愛しておりますから 》
これほど愛した存在は、この広大な砂漠の地の……何処を探そうと見つかりはしないのに
「………っ」
眉間を寄せて瞼を下ろしたアシュラフは
数秒の後、長い睫毛を震わせて目を開けた。
強く歯を喰いしばり、そしてシアンの後孔へ再び自身を突き挿れる。
それだけでは足りない──。さらに繋がりを深くするため、絡んでくるシアンの脚を持ち上げて肩に担いだ。
「あ‥!!」
重たく突き刺され、刺激が背筋から脳天へと一気に駆け上がる。
身体中が痙攣するように引き攣り、シアンはまた絶頂の波間に囚われた。
「‥ああっ‥‥ああっ‥‥あ」
喘ぎすぎて枯れた喉が、待ちわびた瞬間に歓喜する。
やっと繋がれた悦びで満たされた。
熱を持った塊に押し広げられ、慣らされて、カタチを覚えさせられ、そこで相手を愛撫する──そうするように自分の身体を作り替えた相手がこの男(ひと)であったならば、もっと幸せだったかもしれないと、今さら叶わない願望がシアンの脳裏にチラつく。
今さら……
今さらすぎる
男娼としてのこれまでの生き方を、悔やむ気持ちがあるなんて。
だがそんな後悔も一瞬で、すぐにシアンは与えられる快楽と痛みに、陶酔した。