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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第42章 空虚なる交錯

「‥‥はぁっ‥あっ‥‥あ…‥!」

「ハァッ…ハァッ……!!」

「あに‥うえ‥‥//」

 速さも増して力任せに打ち付けると、肉と肉がぶつかる音が部屋に響き──

 すでに注いだ愛欲が結合部からぐちぐちと卑猥に漏れ出て、シアンの白い尻たぶを濡らした。

 そうでなくともシアンの下半身は彼自身の白蜜ですっかり汚れていたが、…だが気にとめる余裕はどこにも無い。



 彼等は必死だった。


 長い孤独だった。互いを想いながら切り離されていた時間は、涙を忘れるほどに長かった。


 そしてやっと繋がれたのに……この奇跡は有限で、残された時間は少ない。それに彼等は気付いていたから。


 だから綺麗でなくともいい。


 結び目は歪(いびつ)で構わなかった。





「ハァッ……ハァッ……ハァッ…──出す、ぞ」


 アシュラフの低い声が快楽で上擦り、シアンを包み込む。


 泣き所を突いている先端がナカでひと際大きく膨れあがり、もうすぐ精が弾けそうに脈打っている。


 シアンが両手を上げて必死に訴えると、アシュラフは頷き、彼を抱き締めた。


 汗ばんだ肌を押し付け合う。


 そして内臓の奥に精を放たれた。


 火傷しそうなほどの熱い迸りを最奥に叩きつけられ…濡らされた時、シアンはこれまでにないほどの強烈な絶頂を味わった。







・・・・




 オイルランプの灯りでたゆたう影は…それから暫く、重なったまま離れなかった。


 語らう声があるわけでなく、深い呼吸だけがそこに長く留まっている。


 互いに肌の境目さえわからなくなるほど陶酔し──結ばれた二人。




 どうか……このまま



 切り離さないでくれまいか。



 どうかこの夜だけは、このままで──。





 分かち難く抱き合う彼等は、沈みかけの意識の片端で乞い願う。


 ランプの炎が小さく断ち消えた後も……それだけは変わらなかったのだ。











───…








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