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謀殺された王子は 復讐者として淫らに返り咲く
第11章 復讐者の記録──弐
────……
…………
『 僕に触れるな 』
歓楽街から路地をひとつはいった家で、少年はヤンという青年に組み敷かれていた。
少年が身に付けているのは、簡素な布地の幅広衣(カフタン)のみで、裾をまくられればその下は裸だ。
肌を撫でてくるヤンに少年は抵抗を試みるが、十七歳の青年相手では体格差がありすぎて容易く床に押さえ付けられる。
『 お前っ…無礼だぞ 』
『 その口調──…。やはり高貴な家の坊ちゃんに違いなさそうだが…よくぞココまで堕ちてきたな 』
『 ……ッ 』
のしかかる身体に足を抑えられ、そして衣服の内側に潜った手が少年の幼い竿を下から持ち上げた。
『 何……している……? 』
『 まだガキの癖に人生悟ったような面(つら)してやがるから気に食わない… 』
客前の時と今ではヤンの態度は急変しており、口調まで変わっていた。
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というより、街道沿いに現れるという盗賊の頭領とでも言われたほうがしっくりくる。
『 女将からお前の世話を任されたんだ…。俺がコッチも仕込んでやるから有難く思いなよ 』
『 …!? 遠慮、する 』
『 ナンもわかってないなぁお前 』
『 (ピクッ)……ん、ぅ……ッ 』
首元までまくられた服のせいで視界を遮られた少年の肌にヤンが舌を這わせた。
小さなふたつの尖りを舌先で擽る。
途端──むず痒い感覚が少年を襲うも、彼はその正体を予想すらできない。
『 …ふ、やっぱり反応が悪いねぇ 』
『 …? 』
『 いちから教育が必要だな。──…なぁわかってる?お前は今から俺に犯されるんだよ。……俺だけじゃない。これからは男どもの慰みものになるんだ 』
『 慰み、もの…?おかされる…? 』
『 性を売って金を稼ぐってコトだ 』
『 …… 』
ヤンの語りかけに耳を貸すも一向に理解できない少年だったが、そのうち、昔……クオーレ地区の外へ出かけた少年に侍従のひとりが教えた言葉を思い出す。強い日差しのもとに肌を大胆に晒して歩く、見目の整った美しい女を指して、あの時侍従は言ったのだ。
" あれ " を見てはならない
" あれ " は
『 ──… " それ " は、娼婦のするコトだ 』
そう自分で言いながら、少年は初めて動揺を見せた。