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妄想実現SMクラブ 「Five Hours」
第3章 覚悟できない女
茶色、黒、紫、藍色、赤とある。私は鮮やかな紅色に目を奪われてしまった。きっと染めたのだろう、綺麗な色だった。

「…真琴さん…真琴さん…?」
「えっ…」

また何も聞こえていなかった。体が震え始めた。
気が付けばジュンさんはソファに座り、その後ろに立つ私に声を掛けていた。

「真琴さんは何色が好きなの?」と訊かれ、
私は「あ…あか…」と答えていた。

「赤ね。分かった。縄を手に取って触ってごらんよ」
「うん…」

私は彼が座る同じソファーに座り、藍色の縄を触ってみた。指先で触り、摘まんでみると、縄は固かった。でも曲げてみるとすごく柔い。細い繊維がはみ出すことなく綺麗に束ねられ、それらが斜めに巻きつかれる事によって、縄の丸い形になっているのがよく分かった。

「真琴さん、緊張してる?」
「う…うん…してる」
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