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不倫白書 Ⅰ
第1章 初めての不倫…
 12

 それは…

 下着…

 下着の心配であった。

 あぁ、ヤバいわ…

 まさか、こんな展開が起きるとは予想だに、いや、想像すらした事が無かったから…

『あれ、どんな下着を穿いていたっけ?』
 慌ててしまい、想い浮かんでこない。

 あれ?…

 確か…

 ストッキングはパートが終わって新品を穿いた…

 あれ?…

 ブラは?…

 ショーツは?…

「あっ、ん、や、ね、ねぇ…」
 わたしはブラウスを外してくる彼の指に自らの手を充てがい抗うのだが…
 だがそんなわたしの抗いの手の動きなど無視してブラウスを脱がしに掛かってくる。

 一応、ブラウスの下はキャミソールを着ているから…

 あっ、そうだ…
 わたしの心は慌ててきた。

 そうだ、今夜のわたしは…

 決して古くはないブラジャーと…

「あぁ、や…だ…」

 少し大きいカットの…
 つまりは、小、中学生が穿くような、ややゆったりとしたデザインの、しかも野暮ったい薄いピンク色のショーツを穿いていたのを想い出したのだ。

 ただ救いはレースのデザインくらいか…

 いわゆる世間でいうところのセクシーなデザインとは真逆な…
 おばさんショーツを穿いていたのだ。

 サーっと、心が冷えていく…

『さすがにこのショーツは…』

『彼は興醒めしちゃうだろう…』

 違う意味の、いや、絶望的なドキドキがしてきた。


「あ、ね、や、やぁ、ねぇ…」

 だが既に彼のスムーズな手はわたしのブラウスを脱がし、そしてスカートのウエストのボタンに指先を掛けてきていたのであった…

「ね、や、あ、あぁ…」
 わたしがそう絶望的な声を漏らし、その指先を押さえていくと…

「え、なに?」
 と、爽やかな笑みを゙浮かべ、いや違う…

 そんなわたしの心境が分かっているかの様に、意地悪気な目を向けて呟いてくる。

「あ、あの、し、シャワーを…」

 さすがに下着の事は言えない…

「え、シャワー…
 ダメだよ、もう止められないし、それに、お姉さんのありのままがいいんだよ…」
 と、そんな絶望的な言葉を言ってきた。

「え、あ、や、やぁ…」

 そしてスッとスカートのボタンを外し、脱がしに掛かってくる…
 いや、アッという間に、抗う間もなくスカートが脱がされてしまう。

「ああっ、や、やぁぁ…」

 終わった…
 



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